孫子兵法

孫子兵法

孫子の学び方活かし方

「孫子」は、中国・春秋時代末の兵法家「孫武」が著し二千五百年以上も読み継がれた名高い兵書でありますが、兵書というよりも人間界の鋭い洞察の書として親しまれ、組織の統率法や人間心理の綾を読み取る上で必携とされています。 
 孫子がそのように高い評価を受けるのは、複雑に見える自然界から戦争という事象を通して、社会の仕組みや本質を抜き出して世の中を生きて行くための原理原則を教えているからです。

「断章取義」を廃し

「孫子」は、物の見方・考え方の急所を教えるとともに、特に仕事をする上での智力を与えるというところに特徴があります。
 つまり、「孫子」は兵書でありながら、その理論は即、現代に通ずるという“最古にして最新の稀有な書物”であり、このため現在もなお政治、外交、企業管理、技術戦略、ビジネス競争、スポーツなどの指南書として、また処世の知恵袋として広く世界の人々に珍重されるのです。

 とは言え、あくまでも「孫子」は問題解決の普遍的思考を語るものでありますから、これを一読しさえすればその神髄が修得できるという性質の物ではありません。その真の理解に当たっては、高度の抽象的能力が要求されるため、一般には難解とされています。とりわけ「孫子」は、各篇それぞれに独立した一篇として存在しつつも、十三篇全体では相互に有機的に繋がって連動する理論的体系を有する点に特色があります。

 ところが、一般的には古典解釈の便法たる断章取義(古典そのものを全体的に把握することは、煩瑣であり必ずしも得策ではない。むしろ、その趣旨を汲み取り、現代に合わせて活用してゆくことこそ大事なのであるとし、古典の文章の片言隻句・金言名句だけを切り離して、現代風に解釈して用いること)をそのまま孫子に当てはめる傾向があります。これは「群盲像を評す」の類に陥り易く、かえって孫子を解りにくくしています。

 この孫子をいかに学び、それを反復熟読して自己の血肉と化し、日常使いこなしていくかには「コツ」があります。

 もとより、「断章取義」を廃し、これを体系的に学ぶことが第一ではありますが、併せて「孫子」を読み解くための分析手法として「活きた人間活動の事実を捉える」判断基準(ものさし)が必要になります。

 ここでは、その一つとして、故城野宏氏が提唱されていた脳力開発・情勢判断の方法を用います。その観点から、「孫子」十三篇への補完的な考察を加えます。さらに、理論と実戦の一体化を目指すために、「素読」をベースに具体的な習慣づくりを行なうことが極めて有効な方法となります。

はじめたら止められない、知的ゲームのようなおもしろさ

はじめたら止められない、知的ゲームのようなおもしろさが「孫子」のもう一つの魅力です。
 このホームページでは、難解とされる孫子をわかりやすく解説するとともに、その体系的・立体的・総合的な学び方・活かし方に明快な答えを提示します。

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